相手の苦悩や想いを知ると仕事への姿勢が変わる

退職代行サービス

空前の人手不足と言われている現在、退職代行サービスが注目されています。退職する際に本人に代わって会社に連絡をするというサービスです。

最近では、辞めたくても辞めさせてもらえない。罵倒されるのが怖く、言い出せずにやめられず精神的にまいてしまうということもあるようです。こういった場合には利用するのも必要だと感じます。

しかし、「言いづらいから」というだけの理由であれば、私は利用しない方が本人のためになると考えています。なぜならば、退職を自ら切り出し、話し合うことで会社側の考えていることや会社の抱えている事情などを知ることができるからです。

私自身も、約30年前会社を辞めました。退職を申し出て、退職に至るまでの出来事は私にとって大きな学びでした。

無知だった22歳の私

私は、22歳で関東地方の大学を卒業し、地元愛知県の工作機械メーカーに就職しました。その後半年で退職し、独立しました。独立の理由は先輩の姿を見て希望を持てなくなったからでした。

退職の意向を会社に伝えたとき、私は退職することに全く罪悪感をもっていませんでした。

なぜならば、私が無知だったからです。

退職の意向を伝えたとき、「なぜ、退職するのか」「次に何をするのか」と様々なことを聞かれました。その後、何度か人事の方や上司と話す機会もありました。その後、人事の方も私について色々と調べたようです。引き留めるためだったのでしょう。

そして、大学でお世話になった先生のところにも連絡がいきました。私は退職を申し出る前に、先生には相談も連絡もしていませんでした。先生への義理を欠くことをしてしまったのです。

企業は大学に求人を出しています。先生とのコネクションがなければ、愛知県の中堅の会社が関東地方の大学に求人すらしなかったでしょう。私の退職が先生と会社の信頼関係にまで影響するということを知ったのは、先生に会いに行った時でした。

自分のしたことの影響を知る

当時はバブルの余韻が残っていた時期です。今と同じように人手不足でした。各企業とも新入社員の確保に力を入れており、完全な売手市場でした。

先生に会いに行った時。先生が学生の就職に関して、今だけでなく将来のことも考えていることをしりました。不景気になり就職が難しくなった時でも過去の実績で採用してもらう事ができる。そういったコネクションを大学も大切にしていることを知ったのです。

私は、大学や先生の抱えている想いや地道な努力を想像もしていませんでした。その時、自分がしたことが、いかに周りに迷惑をける行為であるのかに気づいたのです。

また、会社の損失についても想像していませんでした。私一人を採用することにどれだけの時間とコストがかかっているのか、全く考えていませんでした。人事の方も、半年で辞められては自分の評価にも影響があったでしょう。

「退職は 自分だけの問題」と思っていた私は、世の中のことを何も知らない人間だったのです。先生は、私をとがめることもなく「辞めるといった以上は、やめる方が良い」と許してくれました。そして、独立となったわけです。

この経験から、自分の行動が人にどういう影響を与えるかを考えるということを学びました。

人の想いを知ると考え方も行動も変わる

もし、30年前、大学や先生、そして会社がどんな思いでしているのかを知っていたら、私は独立をしなかったかもしれません。会社や先生方の期待に答えなくてはと頑張ったかもしれません。

人の想いや苦悩を知ると、仕事に向かう姿勢は変わります。

例えば、営業がどんな苦労をしてその仕事を契約してきたか。契約に至るまでの努力を知っていたら、私達エンジニアにもお客様を大切にする気持ちが生まれます。営業から無理を言われたときでもその背景を知っていれば、やらされているという感覚ではなく、自ら行こうという気持ちにもなり、何かできることは無いかと主体性を持って考えるようになります。

当然、お客様への対応も良くなるはずです。同じエンジニアのチーム内でも、他部署でもお互いが何考え、どんな苦悩を抱え、どうしたいのかを知ることは大切です。

私の提供している社内講師育成研修では、ただノウハウを伝える研修を作ることができるようになるだけではありません。自分が何故それをするのか、どんな思いでしているのかについても考え伝えていただいています。 それぞれが講師となり、今すぐ活用できるノウハウを学べるだけでなく、想いや経験を共有することで同じチーム内、他部署間のチームビルディングにつながります。