ベテランが苦情を言われるわけ

トヨタでも危機感を抱いている

大手企業が2019年3月期の決算発表される中、トヨタ自動車も決算記者会見が開かれました。経験の中で豊田章男社長は8日の決算記者会見で、「トヨタにとっての脅威とは」という記者からの質問に対し、豊田章男社長はこう答えました。

「トヨタは大丈夫だ」と思う事。

とても、印象的な言葉でした。売上高は日本企業初の30兆円越え、販売台数では世界3位にとどまるも、利益額では自動車業界首位を保っています。

そのトヨタが、「すべての変化に神経を研ぎ澄ませて追随していく企業体質」が必要だと危機感を持っているのです。

そして、「価値を上げることは、お客様にとってもパートナーにとってもいいことだと思っているので続けていく」とも語っていました。

私は、個人事業主として機械系のエンジニアの仕事をしてきました。トヨタとは全く比べ物になりません。しかし、豊田社長の語ったこの言葉は、私も大切にしてきたことです。

できていると思っているのが一番危険

「そんなつもりはなかった」これは、修理対応後にお客様から苦情が出たときにサービスエンジニアからよく聞かれる言葉です。

新人で、経験も少ないサービスエンジニアではなく、ある程度の経験があるサービスエンジニアから出る言葉です。

確かに、そのつもりはなかったのでしょう。そのお客様がたまたまそう感じただけかもしれません。しかし、こうしてベテランのエンジニアが苦情を受けてしまうケースは少なくありません。

何故、そんなことが起こってしまうのか。それは、「自分はできている」という気持ちがあるからです。

自分がしていることに自信を持つことは大切です。しかし、この気持ちから生まれる危機感の欠如が苦情につながります。

苦情というのは、実は些細なことで起こります。そして、危機感が薄れているときにおこるのです。

ほとんどのお客様は苦情を言わない

何度も言いますが、「苦情が出なかったから今のままで大丈夫」「いつもそうしているから大丈夫」という意識は仕事をするうえで大切です。

いつも「これで大丈夫だろうか」という不安は大きなストレスとなるからです。仕事を始めたときの様に、毎日、大きなストレスにさらされていては、長く続けるのが難しくなります。

しかし、苦情は出ていないが、「これで良いのだろうか」という危機意識を持つことも大切です。

サイレントカスタマーという言葉をご存知でしょうか。ほとんどのお客様は不満を抱えていても、それを伝えることなく離れていくと言われています。気づいていないだけで、お客様は対応に不満を持っている可能性が高いのです。

人によって感じ方は違います。同じことでも不快に思う人もいれば、なんとも思わない人が居るのは確かです。しかし、一人のお客様から出た苦情は、他の人も同じように感じていたのかもしれないと考えなければならないのです。

100人に一人かもしれない

一つの苦情に対し「このお客さんはうるさいから」「たまたまそういう人だから」と片づけてしまうのは、危機感がない証拠です。

私達は、お客様が何をどう感じるのかを深く知っているわけではありません。

実際にそう感じるのが100人に一人だったとしても「このお客様もそう感じるかもしれない」という危機感を持ち、顧客対応をさらに良くしていくことが大切です。

豊田社長のおっしゃる通り、それが「お客様のためにも良いこと」なのです。