相手がイメージできるように話していますか?

何を言っているのか全く分からない

今日、美容院に行った時のことです。カットの前にシャンプーへ。その時、「白髪染めはこまめにする方ですか?」と質問されました。「こまめに」というのがどれくらいの頻度なのかがわからず、「まぁ、たまに」と答えた私。

その後、カラー材が新しく出たのか、「・・・白髪だけに入る」「普通の白髪染めは毛先に・・・。」「黒い髪には・・・。」カラーに関する様々な話が始まりました。

この流れは実はいつものことなのです。何か製品を説明したり、お勧めしたいときに、その方は必ず技術的な話しから入ります。

シャンプーから始まって、カットが終わるまでの約50分。そのよくわからない話が続きます。今日の彼の話で頭に残っているのは2つだけ。

1つは、トランプ大統領は金髪に見えるが実は茶髪で、白髪が増えてきて金髪に見えるという事。もう一つは、白髪が流行っているが、なにもしていないわけではなく、手入れをしっかりしているという事。50分の中でたったそれだけです。

私はエンジニア。そもそも理屈っぽい性格を持っています。だから、「これ、凄く良いんですよ!」と言って勧められても、何故良いのか、どうしてそうなるのかがわからないと購入はしません。だから技術面の話は私にとって大切なこと。

美容師さんの技術レベルは私にはわかりません。しかし、彼は私の要望に対し、「今回は○○のために〇〇にしています。そうすることで△△になるので」と髪の毛の癖などの話を交えて丁寧に説明してくれます。私はその理屈が伴った彼のカットが好きでこのお店に通っています。

しかし、私はこのお店で何かを買ったことはほとんどありません。では、何故、そうなってしまうのか。

イメージができない

それは、イメージができなかったからです。彼の話に欠けているのは、私にイメージさせることです。

「カラーが入りやすい」「カラーが抜けやすい」「白髪だけに入る」「毛先に・・・。」

「2か月半くらいはもつ」「市販のカラーを併用する」「色がわかれるので動きが出る」

おそらく彼は、製品のメリットを沢山話しています。そして、それはプロにとっては画期的なことなのでしょう。しかし、素人でもありそのことに興味もなく困ってもいない私にはまったく頭に入ってきませんでした。

それどころか、情報が多すぎて、混乱する始末。後半、カラーの話からカットの話になっていることに気づけませんでした。

いくら、製品のメリットを並べても、イメージがわかないから、今、何を話しているのかもわからず、「自分が得られるメリット」「実際にどう使うのか」「それを使ったらどうなるのか」もわからないのです。

私にイメージさせることが欠けているため、理屈がわからない上に購入する動機も与えていないのです。だから、どんなに優れている製品でも購入には至りません。

イメージできるように話すことが大事

私達エンジニアは、何かを販売をしている人は少ないでしょう。しかし、お客様に何かをしてもらう事はあるはずです。例えば、日ごろの製品のメンテナンスや故障時の対応方です。

お客様に何らかの行動をして欲しい時に、私達もこの美容師さんと同じようなことをしてしまいがちです。

私たちの知っている技術的な情報をいくら話しても、お客様はメンテナンスをすることはありません。髪の毛の専門的な話をされても私が「購入」という行動をしなかったのと同じです。

伝わるということは、相手の頭の中にあるイメージと、自分の頭の中にあるイメージが一致するということです。

私達はプロです。プロではないお客様とは知識のレベルが違います。まず、私たちがしなければならないのは、その知識の差を埋めることです。そうしなければイメージがわかないからです。

どうすれば知識の差を埋め、相手がイメージしやすくすることができるのか。その答えは

50分の中で頭に残った「トランプ大統領」「白髪が流行っている」の2つだけというところにあります。

相手の知っていることを話す

この2つが私の頭に残っているのは、私の知っていることだからです。相手が知っていそうなことを話せば、相手はイメージができるようになります。

私は、トランプさんの髪の毛と、白髪の近藤サトさんの顔が目に浮かびました。そのイメージがあったからこそ、「そうなんだ」と納得したのです。

もし、もっと製品を使うメリットを相手にイメージできるように話したとしたらどうでしょう。

例えば、「芸能人の○○さんって、○○ですよね。あれ実は、髪の色が○○だからなんですよ」

という話し方をしたらどうでしょう。余程、マイナーな芸能人でなければイメージがわきます。そのイメージをもとに自分がどうなれるのか、どんな効果があるのかを想像できるようになります。

専門的な知識を相手にイメージしてもらい、行動につなげるために、相手が知っていそうなことを話題の中に入れてみてください。