やって当たり前と思う気持ちが不満につながる

2019年6月13日

わからないことだらけ

昨日は、妻のピアノコンサートに行ってきました。場所は、名古屋市の伏見にある電気文化会館、地下二階のコンサートホール

妻一人のコンサートではなく、他の方とともに開くコンサートです。

初めにお伝えしたいのは、このコンサートを批判するつもりは一切ないということです。むしろ、凄いなと感じました。純粋に楽しむということを忘れていたかもしれないということに気づかせてくれたからです。

何に驚いたのか。それは、マイクを一切使わないということです。演奏しているピアノの音を拾わないということだけではありません。アナウンスもないのです。

始まる前のアナウンスも一切ありません。始まりは、定刻になったら開場側の照明が消えるだけでした。演奏が始まる時も同じです。複数の演奏者が出演するコンサートです。出場者の紹介や演奏者からの一言があるのかなどと思ったら、ありません。

舞台袖から舞台にでてきて正面で一例をし、ピアノに向かいます。椅子を調整し、演奏が始まりました。

3組の演奏が終わり、プログラムには休憩と書かれています。休憩に入る時も客先側の照明が明るくなるだけで、休憩に入りますのアナウンスも何時に始まりますのアナウンスもありません。私は、次の予定があったのでこの休憩中に帰りました。 あとで妻に聞いた話では、コンサート終了の時も何のアナウンスもなかったそうです。

わからないと行動できない

プログラムには、進行が書かれており、演奏者の簡単なプロフィールも書いてあります。何組終わったら休憩で、その後何組が終わったらコンサート終了ということはプログラムを見ればわかります。また、曲についても説明が書かれていました。

プログラムがあれば、アナウンスがなくても一応、進行がわかります。その中で、私が何に困ったのか。それは、写真撮影をして良いかということです。

せっかく来たコンサートです。できれば妻の演奏している姿を写真に撮りたいと思っていました。しかし、写真撮影について、何のアナウンスも注意書きもありません。

私にとって行きなれないクラッシックのコンサートです。そこでの常識やマナーがわかりません。写真撮影をして良いのか悪いのかがわからないのです。結局、舞台で一礼した時の様子はとりましたが、演奏中は撮影しませんでした。

注意事項として言われていないのですから、とっても良かったのかもしれません。しかし、音を楽しみに来ている場所です。シャッター音でそれが台無しになってはいけないと思いできませんでした。もう少しいうと、周りからひんしゅくを買いたくなかったから取らなかったということです。

安心安全の場

私はセミナーのお手伝いをしたり、セミナーコンテストというイベントの運営に携わってきました。

その時に一番大切にしていたのが、「安心・安全の場作り」です。お客様が不安にならないように、安心していられる場です。

はじめていらっしゃるお客様には、その場の常識がわかりません。何が良くて、何が悪いことなのかもわかりません。また、お客様の中には、場違いじゃないかしらと感じている人もいらっしゃいます。

そういう方が、安心できるように、司会からアナウンスを入れたり、サポーターが声をかけることを大切にしています。セミナーが始まった時、私はセミナーではなく会場にいらっしゃり人に目を向けています。

寒いと感じている人はいないだろうか、声が聞こえにくくないだろうか。途中で帰りたいけどタイミングを取り損なっている人はいないだろうか、他の方の荷物などで動きにくくなっていたり、座りにくくなっていないだろうか。観察しながら、必要があれば声を掛けます。

また、そういったときには司会から注意事項としてアナウンスしてもらったりもします。

情報がない方が純粋に楽しめる

プログラムには「プリモ」「セコンド」といった専門用語が書いてあります。妻の名前を見て妻が「セコンド」ということはわかりました、然し他の演奏者がどちらなのかもわかりませんでした。演奏は誰でも知っている曲ではありません。知識のない私にとって、そのすごさもよくわかりません。もし、それがわかったら、もっと別の楽しみ方もあったかも。とも感じました。

普段、安心安全の場を意識し、初めての方にも楽しんでいただきたいと考えているからこそ、昨日のコンサートを見に行ったときに「不親切」という気持ちがなかったわけではありません。

しかし、途中で気づきました。「とにかく純粋に音を楽しんで欲しい」という主催者の思いなのだと。

情報があるから楽しめる面もあります。しかし、反対に情報があるから純粋に楽しめなくなるということもあります。

今の世の中は親切すぎる

カスタマーサティスファクションという言葉があります。お客様の満足という意味です。

この言葉を初めに聞いたのは今から20年以上前です。モノ余りとなった現在、顧客第一主義という言葉はどこでも決まれます。

そのおかげもあって、世の中の様々なサービスがより便利になりました。ネットで注文すれば翌日には商品が届きます。また、24時間365日ほとんどの商品が手に入ります。

商品を提供する側として、お客様に不便がないように精一杯考えることは必要です。しかし、お客の立場になった時。私達はその親切を過剰に求めてしまう傾向にあるのではないでしょうか。私がコンサートの進行について、不親切と感じたのもその傾向を表しています。

そして、世の中ではひずみも手てきています。宅配業者の人で不足や再配達の問題。コンビニエンスストアの深夜営業問題。

働き方改革が政府の方針としてあげられている今。企業だけでなく、お客の立場になった時に、便利さが当たり前になりすぎていることを意識することもこの改革を進めるために必要なことなのかもしれません。